MEDICAL GUIDE
診療のご案内

子宮筋腫・
子宮内膜症・子宮腺筋症

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。

好発年齢

30歳以上の女性に比較的多くみられ、性成熟期に大きくなりやすい一方、閉経後は縮小する傾向があります。

症状

過多月経、強い月経痛、筋腫が大きくなったことによる圧迫感などが主な症状です。症状によって日常生活に支障をきたす場合があり、不妊に関係することもあります。

子宮筋腫の分類と比較

子宮のどの位置に筋腫が発生するかにより、筋層内筋腫・漿膜下筋腫・粘膜下筋腫に分類します。

種 類 割 合 特 徴
筋層内筋腫 約60% 大きくなると出血量や月経期間が増え、貧血につながることがあります。
漿膜下筋腫 約30% 子宮の外側へ発育し、症状が出にくいことがあります。
粘膜下筋腫 約10% 小さくても出血量が増えやすく、貧血につながりやすいタイプです。
子宮筋腫の診断

① 問診

症状の聞き取りを行います。

② 内診

子宮の大きさや硬さなどを確認します。

③ 超音波検査

筋腫の種類・大きさ・数・位置を確認します。

④ 採血

貧血の有無を確認し、必要に応じて追加検査を行います。

⑤ 子宮がん検査

子宮頸がん・子宮体がんなど悪性疾患の有無を確認します。

⑥ MRI検査

超音波だけでは判断しにくい場合などに、位置・数・大きさや周辺臓器を詳しく確認します。

治療

症状、年齢、筋腫の位置、妊娠希望の有無、不妊との関連などを考慮して治療を選択します。

① 対症療法

  • 月経痛: 鎮痛薬や漢方薬などで症状を和らげます。
  • 過多月経: 止血薬やホルモン療法などを検討します。
  • 貧血: 鉄剤の内服や静脈注射などで治療します。

② 偽閉経療法

ホルモン剤により一時的に卵巣ホルモンの分泌を抑え、月経を止めて筋腫の縮小を図る治療です。
手術前や閉経が近い方など、目的に応じて選択されます。

③ 手術療法

不妊との関連、粘膜下筋腫、非常に大きな筋腫、薬物療法で十分な効果が得られない場合、悪性疾患との鑑別が難しい場合などには、手術が検討されます。

子宮内膜症

子宮内膜に似た組織が子宮内腔以外の場所に発生し、女性ホルモンの影響を受けながら増殖する疾患です。繰り返す出血や炎症によって周囲組織との癒着を生じることがあります。

好発年齢

30歳前半にピークがあります。

症状

月経時の下腹部痛・腰痛・排便痛のほか、月経時以外の骨盤痛や性交時痛などがみられることがあります。癒着や周囲組織への病変の広がりが痛みに関係することがあります。

発生部位

卵巣に多く、チョコレートのう胞を形成することがあります。子宮周囲や腹膜にも発生し、まれに腸管・腟・尿管・膀胱・肺などにみられることもあります。癒着が不妊の原因となる場合もあります。

子宮内膜症の診断

① 問診

症状を確認します。

② 内診

癒着などの所見を確認します。

③ 超音波検査

子宮や卵巣の状態を確認します。

④ 採血

貧血の有無や腫瘍マーカー(CA125)などを確認します。

④ MRI検査

チョコレートのう胞がある場合や、超音波だけでは判断しにくい場合などに行います。

治療

症状、年齢、筋腫の位置、妊娠希望の有無、不妊との関連などを考慮して治療を選択します。

① 月経痛の治療

症状が軽い場合は鎮痛薬や漢方薬などを使用し、強い場合は病態や年齢に応じてホルモン療法を検討します。ジエノゲスト、ピル、ミレーナ、偽閉経療法などがあります。

② チョコレートのう胞がある場合

大きさや画像所見などを踏まえて治療方針を判断し、必要に応じて腹腔鏡下手術などを検討します。

③ 不妊症の場合

妊娠希望や病状に応じ、腹腔鏡下手術や不妊治療などを検討します。

④ 貧血

過多月経などによる鉄欠乏性貧血には、鉄剤の内服や静脈注射などを行います。

子宮腺筋症

子宮筋層の中に子宮内膜に似た組織が存在する疾患です。子宮筋層内で出血を繰り返すことで筋層が厚くなり、子宮筋腫を合併する場合もあります。

好発年齢

性成熟期から更年期にみられ、40歳代にピークがあり、経産婦に多いとされています。

症状

下腹部痛、月経困難症、過多月経、それに伴う貧血などが主な症状です。

好発部位

子宮筋層

子宮腺筋症の診断

① 問診

症状を確認します。

② 内診

子宮や周囲の状態を確認します。

③ 超音波検査

子宮の大きさや状態を確認します。

④ 採血

貧血の有無や腫瘍マーカー(CA125)などを確認します。

⑤ 子宮がん検査

子宮頸がん・子宮体がんなど悪性疾患の有無を確認します。

⑥ MRI検査

超音波だけでは判断しにくい場合などに行います。

治療

月経困難症と過多月経への治療が中心となります。

① 薬物療法

痛みが軽い場合は鎮痛薬や漢方薬などによる対症療法を行います。

② ホルモン療法

症状が強い場合は、年齢や病態に応じてジエノゲスト、ピル、ミレーナ、偽閉経療法などを検討します。

③ 鉄欠乏性貧血の治療

過多月経に伴う貧血に対して、鉄剤の内服や静脈注射などを行います。

④ 根治療法

症状や年齢、妊娠希望などを踏まえ、必要な場合は子宮摘出術が検討されます。

子宮内膜症と子宮腺筋症の比較
比較項目 子宮内膜症 子宮腺筋症
発生部位 主に卵巣・子宮周囲・腹膜など 子宮筋層
好発年齢 30歳代前半にピーク 40歳代にピーク
病態 子宮内膜に似た組織が子宮外で増殖 子宮内膜に似た組織が子宮筋層内で増殖
主な症状 月経痛・骨盤痛・性交時痛など 月経困難症・過多月経・下腹部痛・貧血など

問診票を印刷してご記入のうえ、お持ちいただくと待ち時間の短縮になります。
診察もスムーズに進みますのでぜひご活用ください。