婦人科
月経随伴症状
(月経前症候群/月経困難症)
月経随伴症状とは月経前・月経中に認める下腹部痛・腰痛・頭痛・イライラ・疲労・脱力感など様々な症状のことを言います。症状があらわれる時期により「月経前症候群」・「月経困難症」と呼ばれ、症状によっては治療を早期に開始した方が良い場合があります。また診察により子宮筋腫などの婦人科疾患が見つかることもあります。お悩みの方は、ご遠慮なくご相談ください。
当院では鎮痛剤による対症療法から、ピル・漢方による治療を行っております。
月経前症候群
月経前の黄体期に、心身両面のさまざまな症状が毎月繰り返し現れるものを月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)といいます。症状は数日間、長ければ2週間の期間にわたり、7割前後の女性がPMSを有すると考えられています。
身体的症状:腹痛・乳房緊満感・腰痛・疲労感・食欲亢進・ニキビ・吹き出物など
精神的症状:イライラ・カッとなる・絶えず眠くなる・意欲減退・不安感など
学校や職場で大きな障害がでることもあり、日常生活に支障をきたしている場合には治療の対象となります。
月経困難症
月経に伴い日常生活に支障をきたすほどの苦痛が生じ、治療が必要とされるものをいいます。下腹部痛・腰痛・腹部膨満・悪心・頭痛などの症状を認めます。
月経困難症の分類
- 10代後半~20代前半以降に好発
- 月経初日、2日目の月経の多い時期に一致して症状が出現する
- 病変を認めない
- 30歳以上が好発年齢
- 月経前4~5日から月経後まで症状が持続する
- 子宮内膜症や子宮筋腫などが原因
スコアをチェックしてみましょう!
一番最近の月経で | 月経痛 | なし | 0 |
合計3点以上で 治療を開始 |
---|---|---|---|---|
仕事に若干支障あり | 1 | |||
仕事に支障あり | 2 | |||
1日以上寝込む | 3 | |||
鎮痛剤使用 | なし | 0 | ||
1日使用 | 1 | |||
2日使用 | 2 | |||
3日以上使用 | 3 |
性感染症 / 婦人科感染症
クラミジア、淋菌、トリコモナス膣炎などの性感染症はおりものの異常、外陰部のかゆみや下腹部痛の原因になります。
また不妊症の原因にもなり早期発見、早期治療がとても重要となります。当院では、症状に合わせた検査を行い治療・指導いたします。
子宮筋腫 / 子宮内膜症

全ての子宮筋腫が治療の対象になるわけではありません。小さく、無症状の方は経過観察が可能です。
治療は、症状の強度、妊娠希望の有無や貧血の状態、またご年齢などを考慮し決定します。手術の検討が必要な場合は適切な医療機関をご紹介いたします。

また採血にて貧血の有無、腫瘍マーカーとしてCA-125の検査も行います。
子宮内膜症の治療法は目的や発症部位によって選択されます。
① 月経痛の治療を主体とする場合
まず薬による治療を選択します。痛みが弱ければ鎮痛剤や漢方薬の対症療法で対応可能です。痛みが強い場合には実際に病巣に働きかけるホルモン剤を選択します。
② 卵巣チョコレートのう胞がある場合
ホルモン剤の治療では縮小効果はさほど期待できません。サイズが大きい場合や悪性所見が否定できない場合は腹腔鏡下手術を選択します。
③ 不妊症の場合
ホルモン療法では妊娠のしやすさは改善しないので、腹腔鏡下手術や不妊治療が選択されます。
性器脱( 子宮脱 / 膀胱脱 )
子宮・膀胱の下垂感や脱出またそれに伴う頻尿などの症状を認める方には、下垂の状態に合わせてリングペッサリーの挿入を行う治療をしております。(事前に子宮頚がん、子宮体がん等がないことを確認することが必要となります。)
リングは2~3ヶ月ごとに交換・膣内洗浄を行い経過観察していきます。
手術が必要な場合または手術を希望される場合は適切な医療機関をご紹介いたします。
問診票を印刷してご記入のうえ、お持ちいただくと待ち時間の短縮になります。
診察もスムーズに進みますのでぜひご活用ください。